矯正治療で歯を削る?|高崎オーパの歯科医院
2024年7月22日
歯科医師の酒井です。
今回は矯正治療において歯を削る処置(IPR)についてお話します。
すきっ歯の方を除いて、矯正治療は「どのように歯を並べるスペースを生み出すか」が肝になります。
スペースを生み出す方法はいくつかあり、マウスピース矯正だと抜歯や親知らずを抜いた位置に歯を移動させる方法などが一般的です。
またこれ以外の方法として、冒頭に記載したIPR(InterProximal Reduction)というものがあります。
少し専門的な用語ですが、和訳すると「歯の隣接面の削合」という意味になります。
歯のエナメル質表面を0.2~0.4mmほど削ることで、歯を動かすスペースを確保します。
狭いベンチに座ろうとしてぎゅうぎゅうな状態の歯に、ダイエットをしてもらうことで綺麗に並んでもらおうという考え方です。
IPRのお話をすると、虫歯や染みる症状との関係について心配される方が多くいらっしゃいますが、IPRを行った歯と行っていない歯で虫歯の発生率に有意差が見られなかったとする文献もあり、正しくルールを守って行えれば安全な方法です。
もちろん患者様の考え方によって、「仕上がりが優先で、歯は抜いても構わない」「歯は削ってもいいけど、抜歯は絶対にしたくない」など、価値観は様々だと思います。
患者様のご希望に寄り添った治療を心がけておりますので、お気軽にご相談ください。