歯のロストスパイラルについて
2025年2月21日
こんにちは、歯科医師の酒井です。
みなさんは「歯のロストスパイラル」という言葉をご存知でしょうか?
これは、治療した歯が虫歯を繰り返して最終的に歯を失ってしまう状態を指します。
ロストスパイラルの例を示しますが、次のように進んでいきます。
* 初めは小さな虫歯でプラスチックを詰める
* 2次カリエスになり金属の部分的な詰め物を入れる
* さらに虫歯になり歯の神経を取り大きな銀歯になる
* 神経を取った歯が膿んできて再治療をする
* 歯の根の破折や再治療に歯が耐えられなくて抜歯になる
初めは小さな虫歯だったとしても、そこから何度も何度も再治療を繰り返すことで歯を失う量が増えていき、最終的には抜歯に至ります。
申し訳ないことに、一生持つことを断言できる治療というものは現状無く、一度治療した歯はいつか再治療が必要になります。
ですが、治療の工程・細部にこだわり、一回一回の治療を可能な限り長く持つようにすることで、ロストスパイラルの進行を遅らせることが可能です。
適切な診断と技術に基づいた治療が、健康な歯を長く維持する鍵となります。
「歯のロストスパイラル」は、一度始まると加速度的に進行することがあり、早ければ20年程度で抜歯に至るとされています。
しかし、質の高い治療、そして適切なケアと早期の対応で遅らせることは可能です。歯は一生の財産。
健康な口腔環境を保つために、治療方法の決定は慎重に、そして日々のケアと定期的な歯科検診を欠かさないようにしましょう。
何か気になることがありましたら、ぜひご相談ください。